“写真”の話
“写真”の良し悪しで決まるデザイン
“写真”が決まれば、そのデザインは「出来たも同然」。そのくらい重要な役割を持っている。良い“写真”とは、クライアントが何を言いたいのかが表現できているもので、美しければOKというわけではない。どのようなビジュアルにするかを考える前に、相手の考えを聞き出したいところだが、そうはいかない。ほとんどの場合オリエンシートなるものを渡され、それを読み込んでいくつか提案をする。その後やっと打ち合わせができるのだ。
“写真”を選ぶ目を持つ
オリエンシートには、全体の予算も提示されていることが多い。その中から“写真”にはどのくらいのお金がかけられるかを割り出す。撮影が出来るのが一番なのだが、不可能な場合は、ストック・フォトに頼ることになる。ストックフォトというのは、予め用意されている写真素材のことで、決められた使用料を支払えば利用できる。これが結構大変な作業で、膨大な素材メニューから選ばなければならない。どの“写真”が適切なのか見極める目を持っていなければならないのだ。
“写真”のエピソード
アナログ時代に間違いが多かったのが、ポジフィルムの表と裏。正位置のつもりでトリミングしたのに、後で気がついたら「しまった、逆版だった!!」なんてことが…。逆になっていても、誰も気づかず進行してしまうこともある。一度、呉服の仕事で着物を逆版でトリミングしてしまい、そのまま印刷されてしまったことがある。流石に焦った。刷り上がったものを確認したら、逆版だったため死に装束になってしまっていたのだ。当然、全て刷り直しで、納期ギリギリ。